スタッフブログ

所得税の実効税率は何%?

2019/10/08

いつもコラムをご覧いただきありがとうございます。

ファミリーエージェントの香取です。

 

今回は「所得税」についてお話したいと思います。

 

弊社ではよく、築古木造物件による、税圧縮効果を目的としたスキームを

ご提案させて頂いております。

 

このスキームとは、築古木造物件であれば、建物価格の範囲で経費計上できる

減価償却費を4年間の短期間で償却ができ、1年あたりの減価償却費を多く

計上することによって不動産所得で赤字を出します。

 

不動産所得は給与所得と合算される為、不動産所得に対しても給与所得に対してかかる

所得税率と同じ税率がかかり、不動産所得が黒字の分だけ、所得税がかかってしまいます。

 

逆に、減価償却費を1年間で多くとることによって、

不動産所得で赤字を作れば、所得金額が圧縮され、源泉徴収の際に差っ引かれていた

所得税の税金を還付できるといった効果があり、還付する分だけ、

税引前のキャッシュフローに比べて、税引き後のキャッシュフローが

潤沢になるといった運用方法です。

 

このスキームで重要となってくるポイントは、

・いかに建物価格を大きくとり減価償却費を1年間で多くとるか

・所得税率が高ければ高いほど効果が見込めるといった

2点かと思います。

 

このうち、所得税率の部分で皆様が自信の所得税率の指標としているのが

以下の表に記載されている、税率かと思います。

しかし本当にこの表の税率で所得税が計算されているのでしょうか?

 

まず、この表に記載されていることはあくまで「速算式」です。

所得税の計算方式は

(給与収入-給与所得控除-所得控除)×税率=税-税額控除=所得税

となります。

先程の表はある程度年収別の税率とそこから控除額をざっくりと差し引いた金額です。

 

その為、ご年収が700万円の方であっても、速算式の表の通りでは、

税率が23%となってますが、各控除額が引かれた後に実際にかかっている

税に対しての税率は低くなっております。

 

給与所得控除の計算方法は以下の通りです。

また、所得控除に関しましても、以下の14項目と

数多くの項目があり、人によってはかなり所得が

これらによって大きく差し引かれている可能性がございます。

 

さらに、その他、税額控除としては、

住宅ローン減税等があり、給与収入に対してかかる所得税が

意外と低いケースがございます。

 

確定申告書の記載で実際にかかっている税額とその所得に対しての税率が

「実効税率」になり、減価償却による税圧縮スキームの際に考えなければならない税率は

この「実効税率」です。

 

減価償却による税圧縮スキームは、税逃れではありません。

このスキームを使った場合、物件の簿価が下がる為、売却時にかかる

譲渡税の金額が大きくなってしまいます。

その為、長期譲渡税率とさほど所得税の実効税率が変わらない方であれば、

このスキームを使うメリットが高いとは言えません。

 

それでも所得の高い方で実効税率が高い方であれば、

高い税率でかかってくる税金分を還付でき、その分、低い長期譲渡税率で

税金をかけられるため、高い効果が得られます。

 

不動産で税対策スキームを考えるのであれば、ご自身の、

所得金額とそれに対する税額を予めご確認されていた方が、

より適した運用スキームをご利用頂けるかと思います。

 

最後までご覧いただき、ありがとうございます。

TOP