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不動産投資全般

スルガ銀行の「かぼちゃの馬車」問題について

2018/03/02

いつもご覧いただきありがとうございます。

ファミリーエージェントの堀内です。

最近「かぼちゃの馬車」の破たん問題で巷を騒がしてますね。

3,4年ぐらい前にウチにも販売代理店になってほしいと話が来ましたが

今回の結果のようになるのが見えていた為、お断りした経緯があり

「かぼちゃの馬車」の検討しているお客さまには全力で辞める様にお伝えしていました。

そんな中でも不幸にも被害に合われてしまった被害者の方々がどうなるのか?

動向を見ておりましたが先日スルガ銀行が返済停止を受諾しました。

詳しくは下記をご覧ください。

https://s-higai.com/?information=stopsruga2 日住検監修 スマートデイズ被害者の会


おそらくスルガ銀行は返済停止を受け入れられないだろうとの見解が多かったため、
この受諾には不動産業界の大半が衝撃を受けました。

今回の一連の騒動が業界に与える影響は大きく、今後の不動産価格・融資情勢についても少なからず影響がでると考えています。

我々が考えないといけない事は、今後この問題をきっかけにどのような状況になるのでしょうか。

私なりの見解を書かせて頂きます。

【スルガ銀行の融資】

既に様々なメディアにも報じられていますが、
スルガ銀行を利用した融資はほぼ全てが
・顧客属性の改竄
・売買金額の改竄
といった不正な手段を用いて行われていました。

今回の騒動を発端に同行では現在融資依頼を受けている案件などの洗い出しをしており、

スルガ銀行の不正融資を行っていた業者からも「決済日前日に不正発覚で融資が取り下げられた」という話が
多く出てきているようです。

スルガ銀行の融資のほとんどがこういった不正な手段を利用した案件だったことから今後の展開として考えられる選択肢は

1、不動産への融資をやめる
2、金利を下げる
3、属性の高くない顧客まで融資を広げる
4、オフィシャルでフルローン(オーバーローン)可能とする(現在は売価の9割までが融資額の上限です。)


といった可能性があります。
どのプランを取るのかを考察するにはスルガ銀行を詳しく理解する必要があります。

スルガ銀行

中間純利益 205億円 2017年9月中間数値

貸出金残高 32860億円 2017年9月中間数値
個人ローン 29634億円 2017年9月中間数値

と個人ローンが融資の90%を握っており、おそらくほとんどが不動産への融資です。

ちなみにこれがどれだけ異常な数値かというと、
例えば岡山の地銀である「中国銀行」は

貸出金残高 45607億円 2017年9月中間数値
個人ローン 8352億円 2017年9月中間数値

と個人ローン融資比率は18.3%程度です。

個人ローンが利益の9割を占めている状態で

「1、不動産への融資をやめる」といった選択肢はないように思います。

「2、金利を下げる」についても難しそうです。

中間純利益が205億という事を考えると

金利1%下げただけで年間約328億の利益がなくなります。

今までのように属性資料を改竄した「なんちゃって高属性」の方がいなくなるので

否が応でも貸出額も下がる為、実際には赤字になるでしょう。


「3、属性の高くない顧客まで融資を広げる」これもあり得ないと思います。

そもそも年収が低い、自己資金が少ない顧客についてはそもそもフルローン・オーバーローンでなければ買えず
返済額が大きくなるうえに年収が低い方への融資では返済余力が限りなく0に近いあるいはマイナスになります。
更にそもそもスルガ銀行は9割融資が前提の為、融資額も増やし更に属性基準も下げるというのはほぼ有り得なそうです。

ただでさえ今回の事件で貸倒率が上がりそうな中でこれはナンセンスですね。


「4、オフィシャルでフルローン(オーバーローン)可能とする。」

この選択肢はありそうな気がします。
ですが、同行への市場からの不信感や今までの「なんちゃって高属性」ではない「高属性顧客」を獲得しないといけない為、中々苦しい状況に陥りそうです。

4、だけでは延命措置にしかならず実質利用可能な顧客は少なくなる為、画期的な新商品の開発でもない限り破綻方向に行く可能性が高いのではないでしょうか。





他にも『他の金融機関の動向』『今後の不動産価格の動向』『既にスルガを借りているその他の顧客の動向』等を書きたかったのですが、
長くなりすぎたので、また次回以降書かせて頂きます。

よろしくお願いいたします。





 

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