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不動産投資全般

TASの使用するTVIは実際の空室率に比べて本当に高いのか?

2017/04/03

こんばんは。

 

ファミリーエージェントの堀内です。

 

本日は前回に引き続きTASの利用する空室率TVIについてお伝え致します。

 

前回TVIは満室の物件は考慮せず募集物件のみの総戸数を利用して空室率を出している為、実際の空室率が

 

実際の市況と乖離があるという話を書かせて頂きました。

 

上記の問題は、一部の投資家や不動産業者も指摘していた為、

 

TASから先月アンサーがありました。

 

下記URLの8Pから12Pまでがそちらの対象記事です。
 

http://www.tas-japan.com/pdf/news/residential/Vol86_Vol58residential20170228.pdf

 

上記内容を確認してみると、

 

「満室の物件を考慮しないという正(空室率が高く出る)のバイアスに対して、経営難等物件

データを考慮しないという負(空室率が低く)のバイアスを考慮しないことによりバランスが取れている。(むしろ空室率を低く見積もっている)」

 

といった内容が書かれています。

 

データを見てみると「千葉」「埼玉」では統計調査との動きと連動していない事から
 

データとしての信頼度もやや低い気はしますが、
 

確かに、少なくても2013年度までは「負のバイアス」が強く、実際の空室率よりも低くでているという事には
 

一定の信ぴょう性があるような気がします。

 

ですが、このブログを読まれているような方(不動産投資を考えている方)にはこの「経営難等物件データ」を加味する事にどのような意味があるのでしょうか?
 

おそらく9割以上の方は購入物件の検討や保有中の物件の出口戦略などを組み立てる際に、
 

このエリアは「募集しているのに決まっていない部屋」がどれだけあるのかという指標を参考にし、
 

需要と供給のバランスを見る為に空室率を確認するという方が大半じゃないでしょうか?

 

そこに「供給」されていない物件データを除いている為バイアスがかかっているという話は我々にはあまりマッチしないように思えます。

 

もちろん経営難物件データのバイアスを打ち消すために満室物件データを入れていないというデータ自体を否定するものではなく、

 

空き家ビジネスを考えている方や、潜在的な在庫がどれだけ利用されていないのかを調査したいという方にとっては利用価値の高い手法なのかもしれませんが、

 

一般的な投資家向けの指標としては、「目安」程度の位置づけになってしまうような気がします。

 

とはいえ、TVIがぐっと上がっている地域については、「何らか」の原因によって空室の多い部屋が市場に大量に出てきたという予測は建てられます。

 

この「何らか」として考えられる原因としては、「災害」や「風評被害」等の特殊要因以外には「新築物件の過剰供給」の可能性が高いのではないでしょうか。

 

新築物件が大量に供給されるという事は、現在の需給バランスが崩れる可能性が高く、特に同時期に建てられた新築物件は需要を食い合う形になる為、

 

強み(駅徒歩や設備等)のない物件は淘汰されてくる可能性が極めて高くなる為注意が必要そうです。

 

物件データの特性を理解した上で、利用方法をそれぞれ考えてみてはいかがでしょうか?

 

本日も最後までお読みいただき誠にありがとうございました。

堀内


 

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